【アンジ】第4回更新探索記録

それにしても、アンジニティの環境は最悪だわねっ。
色々と危うくなってきたマナカ様よ、今日も記録を残しときましょうか！

＞訓練
今回は無難に召喚上げ、次回はマイケル呼ばなきゃいけないわね。
マイケルの残念具合はともかく、それ以外の召喚は・・・まぁそこそこレベル？
ペットも含めて3対1なら、序盤のデュエルぐらいは何とかなりそうなんだけどねー。
とにかく、準備が整うまで襲われませんようにっ。

＞生産
春菊で平穏がつくなんて・・・、もっと早く教えてくれればっ。
・・・まぁ良いか、白石拾えたし。
装備は順調に整ってるハズなのに、ちっとも体勢が整わないのは何故かしらね。

あ、そろそろ合成依頼の募集を諦めようかと。
SP回復技用に魔石でも覚えたほうが良い気がする・・・。

＞戦闘
珍平2戦目。
まぁ普通に勝ったけど、Poisonous mothの性能はちょっとどうしようもないわ。
130も消費して使う機会は、暫くなさそう。
名前に反して毒も無いし、肝心の魅了も撒かないし、・・・使う日はもう来ないかも。
と言うか珍平の捕獲条件厳しすぎるっ。

次回は2対1で草賊っと。
2対1とは言っても、残念なアレだけどね・・・。

＞日記
何気にレンタルしちゃった感じ？
まぁ良いわよね、何DEMO☆許可だし！
次回からどーなるやら、我ながら予想もつかないわ。

そんな日記はこちら。

３．戦う力

あたしはマーナカリアっ
ピッチピッチの100歳ちょいっ！

ってのはもう良いとして、
なんだってこんな事になってんの？

戦おうにも身体が無けりゃどうにもなんないじゃない！

くそっ、くそっ

身体、身体さえあればっ…

（…はぁ。）


フラフラと身を揺らしながら、辺りを彷徨う。
身と言っても実体は無い訳だけどね、気分の問題。

あたしは未だに思念体のままだ。

チンピラ風情に負けて、ほうほうの体で逃げ出した――のはだたの夢。
だけれど、状況はさして好転していない。
結局あのチンピラの身体を奪う事は出来なかった、ただ無為に疲弊しただけだ。


あぁもうっ、たかがチンピラのくせにっ。
元の身体さえあれば、あんなヤツ小指一振りで支配してやるのに！

…そう呪えど呪えど、身体を得られる訳でもなし。
まさに手詰まり。


（………）


自分の手をあげて、空に翳す。その手は随分と透けて見えた。
思念体なのだから、元から透けるどころか完全に透明だ。
それでも、自分の姿を認識できるからこそ、自分として存在できる。
その意思が、少しずつ弱まり始めていた。その証拠だ。


（………このまま、消える？このあたしが？）


あたしは天才だ、その上美少女だ。
この世の誰よりも優れた存在なのだ。
それが、こんな、誰にも見える事も無く消えていくなんて。

そんな事、ある訳ないじゃないッ――


――そう、言い切れた頃が懐かしい。

今では、そんな事もありえるのかもしれない。そう微かに思っている自分が居る。
その考え自体が精神力の疲弊を招き、さらに寿命を縮めていく。
分かっていても、意識を切り替えることが出来そうに無い。


（……このまま、消えちゃうのかな）


そう考えて、空を見上げた―――その時。


悲鳴が聞こえてきた。


それは、とても…残念な悲鳴だ。
美女とか美少年とかのそれではなく、とても残念な。

空ろな意識で声の聞こえた方へ向かう。


（………うわ、なにあれ。）


目に映ったのは、戦闘の様子。
可愛らしい野苺ちゃんが、誰かをギッタギッタにのめしている。悲鳴はその誰かから発せられていた。


（………よわそー。）


まさに一方的な攻防。
だと言うのに、そのよわそーなヤツは偉そうな台詞を吐きながら野苺ちゃんに向かっていき――返り討ちにあっている。
なんとも残念きわまりないヤツだ。

…だけど。


（………あれなら、あたしでも勝てるんじゃない？）


微かな希望が湧いた。
あんなに残念なヤツに、この天才マーナカリア様が負ける訳が無い。

そうだ、負ける訳がないのだ。
アイツをダシにして体勢を整えれば、あたしもまだまだ挽回できる。


ふふ、ふふふっ。


そうだ、何せあたしは天才なのだから！
こんな所で終わる訳が無いのよ。
その為には、何だって利用してやる。

………せいぜい喜びなさい、あたしの役に立てる事をねっ！

そしてあたしは、その残念なヤツに取り憑いた

それがまさか、あんな結果になるなんて――


――え
どんな結果かって？

そんなの知らないわよ、言ってみただけ

ま、あたしの勝ちは揺るがないけどね！